岐阜県内に8店舗のコイン精米機を設置していますが、
「岐阜市で籾から精米できるコイン精米機はありませんか?」
というお問い合わせをよくいただきます。
実はコイン精米機には「籾から精米できる機械」と「玄米からしか精米できない」機械があり、地域によって設置されている機械の傾向が大きく違います。
今回は、籾摺りできるコイン精米機についてご紹介します。
地域によるお米保管文化の落とし穴

先日、「コイン精米機にお米を詰まらせてしまった」というお問い合わせをいただきました。
故障かと思い詳しくお話を伺ってみると、どうやら長野県のご実家から送られてきたお米を精米しようとしていたとのこと。
そのお米は玄米ではなく、籾の状態だったのです。
「コイン精米機なら籾から精米できるのが普通だと思ってました……」
甲信越地方や東北では籾保管の文化が残る地域があり、そのため籾すりと精米が一度に行えるコイン精米機が多く設置されています。
一方で、岐阜県を含む多くの地域では玄米保管が一般的のため、ほとんどのコイン精米機が玄米専用となっています。
その方にとっては「籾から精米できるのが当たり前」だったのですが、岐阜県ではそうではなかった、というわけです。
籾保管と玄米保管の違い

長期間お米を保管する際、籾には
・乾燥や気温変化などの環境の影響を受けにくい
・虫やカビの被害を受けにくい
・食味や風味を維持しやすい
といったメリットがあります。
日本有数の米どころである東北や甲信越では、昔から大量のお米を長期間保管する必要がありました。また、寒冷な気候も相まって、低温保管設備が普及する以前から品質維持を重視した
「収穫したお米は籾のまま保管し、必要な分だけ籾摺りする」
という方法が定着し、それに合わせた設備や流通の仕組みも整備されていきました。
一方、南九州では東北とは逆に高温多湿な気候のため、玄米のまま長期間保管すると虫害や品質劣化が起こりやすくなります。
そのため、
「籾で保護したまま保管し、必要になったら籾摺りする」
という考え方が広まったとされています。
しかし、籾保管にもデメリットがあります。
・玄米より保管容積が大きくなる
・出荷や流通の前に籾摺り作業が必要になる
・乾燥管理によっては胴割れなど品質低下の原因になる
といった点です。
このため、品質維持という面では籾保管に利点があるものの、多くの地域では保管効率や流通のしやすさが重視され、玄米保管が主流となっていきました。
また、現在では低温倉庫や保冷庫が普及しており、玄米でも十分に品質を維持できるようになっています。
籾玄米兼用コイン精米機はどこにある?

こういった事情から、籾保管の文化がない地域のコイン精米機は、ほとんどが玄米専用となっています。
籾すり精米できる施設を見つけるのは非常に難しく、JAや米穀店でも、契約外かつ少量の籾すりはお断りされるケースがほとんどです。
大手コイン精米機メーカーである「イセキ」「クボタ」の自社サイトや、「みっけMAP」「ロケスマ」など、コイン精米機の設置場所を検索できるサイトがいくつかあります。
特にイセキ、クボタでは機械の機能別にソートして探すことができます。
「籾すり機能付き」に絞り込んで検索すると、やはり籾保管地域と玄米保管地域では設置場所の数が露骨に違う事が分かります。
玄米用コイン精米機に籾をいれたらどうなる?

玄米用コイン精米機に籾を入れてしまうと、機械にお米が詰まってしまいます。
籾以外にも、白米や、極端に状態の悪いお米を入れても、同じように、中にお米が取り残されたまま機械が停止してしまいます。
籾を投入して機械が停止したり、正常に精米できなかったりした場合は、無理に操作を続けず管理業者へ連絡してください。
手作業で籾すり

目の前にある籾をどうにか玄米にする方法はないのか……
1~2合程度のお米であれば、手作業で籾を外す方法もあります。
【用意するもの】
・籾(少量)
・すり鉢
・軟式野球ボール
籾をすり鉢にいれて、上から軟式野球ボールでやさしく擦るとお米から籾殻が外れます。
コイン精米機は 2kgから精米できますが、少なすぎる量だと正常に精米できない場合があります。
手間はかかりますが、少量だけの籾の場合は、手作業がおススメです。
自宅で使える籾すり商品

一般的な籾摺機は業務用がほとんどです。
ですが、ケット科学研究所より 1合分を約5分で、手軽に籾すりできる商品が数量限定で発売されました。
既に初期ロット40台分は完売済みですが、2026年生産分は今夏発売が予定されているとのこと(2026/4/16情報)
入荷情報については、商品紹介ページから確認できます。
ケット科学_【玄米をもっと身近に】家庭でもみすり体験!「もみすり名人 玄五郎」のご紹介
ケット科学_小型もみすり器 TR-50「もみすり名人 玄五郎」
まとめ

今回ご紹介したように、コイン精米機には「玄米専用機」と「籾・玄米兼用機」があり、地域によって設置状況が大きく異なります。
特に東北や甲信越では籾保管の文化が残っているため籾摺り対応機を見かけることがありますが、岐阜県を含む多くの地域では玄米保管が一般的であり、籾摺り対応機は非常に少数です。
そのため、
実家から送られてきたお米
インターネットで購入したお米
知人から譲り受けたお米
が籾付きだった場合は、精米に出かける前に必ず確認することをおすすめします。
特に岐阜県のような玄米保管地域では、籾摺り対応機を見つけること自体が難しいため、籾のお米をお持ちの方は精米に出かける前に対応機種を確認しておくと安心です。
「お米だからどこのコイン精米機でも精米できる」
と思っていたら、実は地域によって当たり前が違うかもしれません。
今回の記事が、コイン精米機を利用する際の参考になれば幸いです。
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